北中記念碑の会2003
reporter:谷 卓司(98期)
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今にも雨粒が落ちてきそうな生憎の曇天の下、今年も中津の済生会病院前には往年の北中生20名が集った。 11:00定刻に碑の前で記念撮影の後、この春、神戸親和女子大の学長を退職された佐野哲郎さん(61期)の指揮で校歌を斉唱。同氏は英文学のオーソリティで六稜WEB英作文コンペティションでも審査委員長をお務めいただいているが、そもそも北野で教鞭を執られていたこともあって、北野とは縁の深い六稜人のお一人である。奥さんの広子さん(68期)も永年、同窓会事務局で御献身いただいた六稜夫妻であり、この日はご夫婦揃っての参加となった。 それぞれが、それぞれの北野への想いを歌声に託し、一本の力強いハーモニーが都心の喧噪の中をこだました。 このあと一行は、例年のように会場をホテルサンルート梅田に移し、午餐のひとときを懐かしい話題に興じた。 はじめに、国際交流基金担当の常任理事、尼崎孝雄さん(58期)が乾杯の音頭。三砂栄次さん(48期)は中津校舎に1年間だけ通った学年。十三校舎への引っ越しの話題にふれ「大阪市内をまだ馬車が走っていた時代に、仮設の砂利敷きだった十三大橋を、北中生ひとりひとりが椅子やら机をめいめい担ぎながら渡った」という思い出話を披露された。地元、済美第一小学校出身の吉見徹さん(58期)によれば「北中は遊び場」であり、「動乱の時代だった」と当時を回想するのは、北中から海軍兵学校に行った六島昭治さん(57期)。 宴たけなわで、めいめいが心象風景の中の「北野」を大いに語りあった。 トリは、やはりこの人。緒方裁吉さん(39期)。もはや「歴史上の人物」と言っていい緒方洪庵の曾孫にあたる。大正13年のご卒業というから納得だ。「勉強の良くできた人は総じて早く逝ったよ」と冗談交じりに話される姿勢が、いつもながら矍鑠としていて、とても97歳の年齢を感じさせない。「たばことお酒には注意してくださいよ。とくに両方たしなむ人は。適量が大事…」実に説得力のあるコトバに一同が聞き入った。 最後に、来年の再会を約して、ひとときの宴は静かに閉会となった。 |